理解のある親しい人に限定して、10人弱ぐらいですが、本当に助けになりました。例えば、その人たちと喋っている途中で急にツレの体調が悪くなり、「もう無理」って家に帰っちゃったりしても、「病気だからしょうがないよね」と対応してくれたり。1軒は飲食店だったので、外食もそこには行けたのが大きかったです。家に2人でいて、私がちょっとギブアップとなった時も、話を聞いてもらうこともできました。自分がどう楽になれるかを優先に考えて、早めに対応した方がいいです。
――相手が以前と違う状態になっていることを悲しんだり、その日の調子の良し悪しに振り回されてしまったり、大事な人だからこそ距離の取り方が難しいかと思います。
相手がそれまでと違うのは、病気になったから。そう思うしかないです。私も最初の頃は、ツレの調子によって一喜一憂して振り回されたりしていましたが、元気そうな日があっても病気が治ったわけではないんですよね。病気のまま。治ったかどうかはお医者さんに聞かないと、素人では判断ができません。相手の変化を見逃さないということと、病気が治ったかどうか期待することは別なんです。
■転機は「もうこのままでいいや」
不安はいろいろありましたが、最初の頃、一番不安だったのは病気がいつまで続くかといことでした。お金のことは自分が仕事すれば何とかなるんじゃないかと思えても、いつ治るかはわからない。不安は解消できないので、途中で「もうこのままでいいや」と切り替えました。うつの時が来たり、躁の時が来たり、それと一緒に私も暗くなったり明るくなったりして振り回され続けていたら、自分もおかしくなっちゃうと思ったので。そこから脱出するには、今の状況を受け入れるしかないなと気付きました。
――元に戻ってほしいと思うのをやめる、ということですか。
そうですね。元に戻ったら、また同じように病気になっちゃいますから。病気がよくなったら違う生き方をしていかないといけません。
ツレは回復した後、病気になる前にやっていたことが一通りできるようになりました。ほぼ元に戻っています。でも、生き方や考え方の癖で、一生懸命になりすぎちゃったり、自信過剰になって、できないことも「できるはずだ」と自分を疲れさせちゃったり……元に戻ってしまうんですよね。そこは周りが気を付けて、「ちょっとやりすぎだよ」と言ってあげなきゃいけない。