放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、結婚を発表したサバンナ高橋とのエピソードについて
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サバンナ高橋君が、清水みさとさんと結婚しました。発表になった日の夕方、高橋君から久々の電話が来ました。最近お会いしてない芸人さんからの久々の電話の理由第一位は「結婚」だと思っていて。次いで「解散」「引退」。電話に出ると、やはりその通り。
非常にめでたい報告で嬉しくなりました。
高橋君はサバンナとして大阪で十分に実力をつけてから東京に出てきました。その時に、僕が今田耕司さんと数年に一度やってる舞台に高橋君に出てもらいました。
高橋君と今田さんは芸人同士として、非常に濃い関係性でした。
ある夜、稽古終わりに、今田さんと高橋君と飲みに行きました。そのころ、大阪の吉本の芸人さんは東京に来ると、六本木のホテル「アイビス」に宿泊することが多かった。「アメトーーク!」でも、「アイビス芸人」をやったくらい。
高橋君がそんなアイビスのエピソードをその場で話し始めました。高橋君が宿泊した時に、なんと、外国人レスラーが宿泊していたそうなんです。そこにはなんとタイガージェットシンもいたんだとか。アントニオ猪木を苦しめた、あのタイガージェットシン。サーベルで相手を襲う“インドの狂虎”。他にも有名外国人レスラーが何人もいて、近くで試合があったようで。
で、ここからなんです。高橋君がエレベーターに乗っていたら途中で止まり、そこにタイガージェットシンが乗ってきたらしいのです。しかも、片手にサーベルを持ち、試合の格好で。その時点で今田さんも僕も「そんなわけないだろ」とリアクション。だけど、高橋君はあのノリとニヤニヤ笑顔で「ホンマなんですよ~。しかも」と話を続けます。
タイガージェットシンは右手にサーベルを持っていて、そのサーベルを上にあげている状態でエレベーターに乗り込んでくると、なんと、エレベーターの「閉」ボタンをサーベルの柄で押したというのです。ゆっくり閉まるエレベーターの扉……。