南シナ海には、インド洋からマラッカ海峡を経て、南シナ海を通る重要なシーレーンがある。マラッカ海峡は、マレー半島とスマトラ島との間に位置し、全長約1000キロメートル、幅は最も狭いところで65キロメートル。水深は浅い部分が多い。太平洋より南シナ海を通ってインド洋に達する、古くから東西交通の要衝で、特に、中東で産出した石油を東アジアに運ぶ航路という重大な意味を持つ。実際、日本に輸入される原油の8割以上が、マラッカ海峡を通って輸送されている。
世界最大の人口を抱え、工業化を果たした中国にとって、南シナ海のシーレーンは生命線。南シナ海を自国の内海とすることで、利益を確保したいと考えているのだ。
もちろん、日本にとってもこの航路は重要。中国が南シナ海を実効支配するようになれば、エネルギー供給などの面で重大な影響が及ぶことは確実だ。
(構成 文筆家 三城俊一/生活・文化編集部)
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