山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「これからのコロナ対策に思うこと」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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 新型コロナウイルス感染症の第1例目の感染者が中国の武漢市で報告されてから、3年が経過しました。その間に、コロナ感染がもたらす様々な症状や変異株ごとに異なる重症度や感染力、感染に伴う長期的な影響など様々なことが報告され、新型コロナウイルス感染症の実態が次第に明らかとなってきました。同時に、コロナ感染症に対する治療薬やワクチンの開発も急速に進み、共存していくフェーズへと世界が動いたことは間違いありません。

 中国では新型コロナウイルスを徹底的に抑え込むことを目的に実施されていた「ゼロコロナ政策」が今年(2023年)1月7日に正式に終了となりました。それに伴い、市封鎖や隔離を中心とした強制措置が撤廃されたほか、海外から中国に入国する際に義務付けられていた検査や隔離措置も撤廃となりました。また、市内に設けられていたPCR検査所の多くが撤廃されたことも報じられています。

 厳しい行動制限が求められることで知られていた中国の「ゼロコロナ政策」。厳しい入国制限が少し緩和されたことと、2年以上帰国できていなっかったこともあり、昨年の秋頃から中国に一時帰国している友人がいます。その彼女と昨年の11月末に連絡をとったときのことでした。「帰国してから、毎日PCR 検査をしている。もう慣れっこよ」と話す彼女に、「毎日コロナ検査していて、大変ではないの?」と聞くと、「検査をしてコロナ陰性の人が外に出ているから、逆に安心だと思っている人が多いのよ」という返事が返ってきたのです。

 そんな生活が一変したのが、昨年の12月初旬に中国での「ゼロコロナ」政策の大幅緩和が発表された時だったと彼女は言います。この大幅緩和の報道を見るや否や「やっと制限が緩和されてよかったね」と連絡を入れた私に対し、彼女から返ってきたのは「逆に街にコロナ陰性かどうかわからない人が出ているから、不安になっている人が多いのよ」という私にとっては予想外の返事でした。

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山本佳奈

山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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ゼロコロナ大幅緩和で一転、感染が急拡大