野田氏に初めて会ったのは、昨年12月に開かれた女性向けの政治塾だったといい、同じ時期に古屋氏とも議員会館で面談し、

「考え方などを確認して、決断に至った」

 と説明した。

 一方、立憲の岐阜県連は、13日に今井氏が「出馬会見」することを知り、その前日に臨時の会合を開いた。

 党本部に対し、今井氏が郵送したという離党届を受理せず「除籍」とすることや、岐阜5区総支部長として13カ月間、月額50万円を受け取ってきた活動費計650万円の返還を上申した。

 同党県連のある幹部は、

「今井氏が先に会見で言い訳ばかり言って、それが本当のようにニュースになるのが腹が立つので、前日に緊急会合を開き、会見もした。年が明けても、ごく普通に立憲で活動していたんです。離党届を出したから『はい、さようなら』ではすまない」

 と怒りを隠さない。活動費についてもこう指摘する。

「月額50万円の活動費のうち、20万円は生活費に30万円は活動費にという決まりになっている。自民党とは昨年秋から交渉していたと報じられている。立憲からお金をもらいながら自民と交渉というのは話が通りません。支部長となる時に、立憲の活動のために使うという誓約書もとっている。返還してもらうのは当然」

 ちなみに、記者会見で今井氏の後ろに貼ってあったポスターの写真も立憲時代に撮影したものだという。

 立憲の大串博志選対委員長は、

衆院選落選後、2カ月もしないうちに今井氏を支部長として選び、活動費を出してきた。その時、支部長に就いたのは、現職で落選した人が大半でした。経験のない今井氏に支部長として活動費を出すというのは異例の対応です。裏切りとはこういうことを言うのです。活動費の元は政党交付金であることを理解していないのでしょうか」

 今井氏への活動費は政党交付金から支出されていた。つまり原資は税金だ。

 記者会見でも、立憲からの活動費について何度も質問が出た。

集まった支持者に向かって、街頭演説をする今井瑠々氏=2021年10月24日、岐阜県多治見市
集まった支持者に向かって、街頭演説をする今井瑠々氏=2021年10月24日、岐阜県多治見市
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