「12月までしっかり立憲民主党のために、私なりに活動してきた。そういうこと(返還請求)があると受け止めている。政治資金規正法にのっとり、しっかりと検討したい」
と話すにとどまった。先の岐阜県連の立憲幹部によると、「今井氏は活動費の返還交渉を弁護士に依頼しているとも聞く。返すつもりがあるのかどうか」。
今井氏を応援してきた支援者は、
「今井氏のためにポスターを貼って、『一票を』とお願いしてきた。なかには寄付をしてくれたり、政治資金の会合に出席してくれたりした人もいる。そんなお金も懐に入れたまま、自民党にいってしまうのか。『政治とカネ』の問題をクリアにしないで県議選に勝てるのですかね」
と語気を強めた。
今井氏を支援してきた、「今井るるサポーターズ」はSNSで声明を出し、
「一番ショックだったのは、ある報道によると、今井さんから4月の岐阜県議選に『自民党から出たい』と相談があったということです。私たちが昨年、活動している時期とも重なって自民と相談されているということになります。事実なら受け入れがたいです」
「私たちも、今井さんのために献金や寄付金をした方、ポスターを貼らせていただいた方、路上でがんばれ!と声をかけてくれた方、応援するすべての方を裏切ってしまいました。本当に申し訳ありません」
と突然の話に、残念な思いや、支援者への謝罪の意を述べている。
今井氏は、自民に転身した理由として、
「立憲では支援が得られない」
「(立憲の)支持率が伸びない、活動していて皮膚感でわかった」
と話し、立憲への「恨み節」ともとれる内容を口にした。
この発言に対しても、立憲の岐阜県連の幹部は怒りがおさまらない様子。
「地元としてはしっかり支援しましたよ。政治家として、最後は自分自身じゃないですか。支援がないってどういうことでしょうか」
今井氏の会見に同席した野田氏は、
「保護者のようなつもりで支える国会議員の一人として同席した。自民党には様々な党から来た人がいます。政治の場では政党対立より、女性の声」
と今井氏を擁護した。
そして、今井氏という強敵を取り込んだ古屋氏は、
「政治はダイナミックに動くもんだ」
と周囲に語っているという。
歓迎と怒号が交錯するなか、今井氏が望む、
「選挙に勝って思いを体現したい」
は現実となるのか。
(AERA dot.編集部 今西憲之)