さらにバイデン大統領の指さしについての見解はこう続けた。

「相手に指をさすのはアメリカでもヨーロッパでも失礼なしぐさです。指をさすのは相手を非難しているときなどで、今回はバイデン大統領が険しい顔で指をさしており、注目されるのも理解できます。ただ、岸田首相を強く指さしているわけでもなく、自分の話に句読点を打つようなイメージで手を使っていたように見えます。バイデン大統領も日本側に誤解されないよう配慮するべきだったと思います」

 岸田首相は日米同盟の一層の連携を確認したことや、バイデン大統領と信頼関係を深めたことを誇らしげに語っていたが、思わぬところで課題が浮き彫りになったようだ。

 安積代表理事は今回の日米首脳会談についてこう総括する。

「アメリカ側の意図は、日本との親密な関係や日米同盟の強固さを内外に示す狙いがあったと思いますが、岸田首相がそれに応えられていませんでした。ネクタイがスーツから飛び出していたのも残念で、ビシッときめたバイデン大統領と対照的に映りました。本来であれば秘書官らがアドバイスをし、どう振る舞うかなども練習するのですが……。これは日本の歴代首相の課題でもあります」

 23日から始まる通常国会では防衛力強化の方針に関して激論が予想される。岸田首相はこの難局を乗り切ることができるのだろうか。

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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