野球以外の側面も年俸が上がった要因とも考えられるが、選手としての期待感も決して低くはない。だが、ここ数年の投球を見る限りどれだけの結果を残すかは未知数でもある。

「四死球が減り、以前のような大崩れはなくなった。しかし試合途中でいきなり制球が乱れ失点する時もある。技術よりも精神的なムラがある投手なので、年間を通じて波をなくすことが課題」(阪神担当記者)

「160キロ前後の真っ直ぐと高速スプリットの組み合わせは打ちにくい。クロスステップ気味の投球フォームも打者に恐怖心を与えるという意味では効果的。ただし疲労が溜まってきて球が抜けてしまう時の対応力が必要。以前のようにメンタル面で動揺して腕が振れなくならないことが大事となる」(MLBアジア地区担当スカウト)

 アスレチックス側は“大化け”の期待もあり、ある程度の年俸額を提示したが、1年という契約年数を見ても、その実力については懐疑的な見方もしていることが伺える。

 どちらにも転ぶ可能性もあるが、1年契約ということがのちに大きな意味を持つかもしれない。

「1年契約は良い部分も悪い部分もある。結果を残すことができれば、オフにFAとなるので今年の年俸とは比べ物にならないほどの大型契約が提示され、強豪チームに移籍できるかもしれない。だが、一方でメジャーでは通用しないと判断されればシーズン途中での解雇なども十分にありえるでしょう。同級生の大谷翔平(エンゼルス)も今オフにFAになる予定で、2人そろって大型契約になることも期待したいが、日本でも決して圧倒的な投球を見せていたわけではないので、状況次第ではマイナーから這い上がれなくなる危険性もある。本人の決断にはなるが、早いタイミングでの日本復帰もあるかもしれない」(MLBに詳しいスポーツメディア関係者)

 アスレチックスではデビッド・フォーストGMが先発投手として起用すると明かしており、ローテーションの一角としての活躍が期待されている。昨季アスレチックスはア・リーグ西地区で最下位に沈み、先発投手陣の顔ぶれも揃っているわけではない。間違いなくチャンスは与えられるはずで、さらなる“アメリカンドリーム”を掴むには絶好のシチュエーションでもある。

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