マンガ『Dr. Eggs』(「グランドジャンプ」で連載中)は、高校時代に勉強ができたという理由で医学部に入学した主人公が医学部でのさまざまな経験を通して成長していくマンガです。作者は『ドラゴン桜』などで知られる三田紀房さん。医学生の大学生活を描く点で新しいジャンルのマンガで、『Dr. Eggs』を読んだ近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師は「内容がリアル」と絶賛します。三田さんと大塚医師がオンラインで対談し、マンガの舞台裏や医学部のリアルについて語りました。前編に続き、後編をお届けします。
【勉強量が膨大な医学生をリアルに描いた漫画のひとコマはこちら】
* * *
大塚篤司(以下、大塚):まだこれから取材かもしれませんが、僕の専門は皮膚科なのでお聞きします。先生は皮膚科に対してどんなイメージを持っていらっしゃいますか。
三田紀房(以下、三田):すぐ近所にかかりつけの皮膚科の先生がいまして、なにかあったらとりあえずその先生に聞いてみようみたいな感じの、非常にフレンドリーな先生です。皮膚科はお医者さんの中では、あまり緊張しないで行ける診療科かなと思います。
大塚:先生の皮膚科に対する印象は、医学生が皮膚科を習う前の印象と全く同じですね。皮膚科は、大学病院で診ている患者さんと町のクリニックで診ている患者さんの層が全然違うんです。町のクリニックは水虫や虫刺され、帯状疱疹(たいじょうほうしん)などを診ることが多くて、大学病院では、「ほくろのがん」と呼ばれる命にかかわる皮膚がんや、足が全部腐ってしまっている患者さんを診る。医学生はそこでぎょっとして、「皮膚科、こんなはずじゃなかった」みたいなケースがあります。
あと、検体が簡単に採取できるので、皮膚科は研究も進むんですよ。とくに日本の皮膚科は世界的に見てレベルが高く、病気の原因を発見した先生が日本人ということが多かったりして、研究分野では世界をリードしているんです。それを学生さんに話すと目をキラキラさせて聞いてくれる子たちもいる診療科なんです。