飼い主さんの目線で猫のストーリーを紡ぐ人気連載「猫をたずねて三千里」。今回ご紹介するのは、茨城県在住のrinneさんのお話です。大の猫好きで、室内で飼うだけでなく、野良猫のケアもしています。猫はおうち暮らしが幸せ……ずっとそう思ってきたrinneさんですが、とあるオス猫だけは別。個性的なこの猫に出会い、考えが変わったといいます。
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私は5年くらい前から、野良ちゃんを保護、譲渡するお世話をして、約200匹の猫の家族を見つけてきました。保護したなかには病気やけが、どうしても人馴れしない猫もいて、そうした子たちを自宅でひきとっています。
今は5匹の家猫と、1匹の庭猫がいます。庭猫は推定5~6歳の雄で、名前はボロといいます。我が家の庭のデッキで悠々と暮らすボロは、今まで見てきたなかでも“最強クラス”の狂暴ぶり、他の猫も人も寄せ付けないのですが、実はチャーミングで“ファン”も多いんです。
ボロとの出会いは2020年2月。3年前の今頃です。突然ふらっとデッキにやってきました。もともと野良ちゃんのためデッキにごはんを置いていたのですが、「やっとありつけたぜ」とでもいうように、夢中でむしゃむしゃ。
いっちゃ悪いけどブサイクで、苦労したのか毛が汚れ、ものすごく悲壮感が漂っていました。そんなボロボロの風貌から、ボロと名付けたのでした。
ボロはその日から、デッキに住みつきました。気づくと犬小屋で当たり前のように寝て。その犬小屋は、以前、雪の降った日に、野良ちゃんの寒さよけに置いたものです。
ボロは気性が激しく、私に対してはもちろん、他の野良ちゃんへの威嚇もひどく、飛びかかろうとします。その時の大きな唸り声は、猫に慣れている私でも「こわいな」と思うほど。室内の猫が窓の外を見ていると、「お前もやったろか」というように、むこうからすっ飛んできて窓ガラスに体当たり。まるで動物園のトラとかライオンのイメージです。