我が家のそばは車があまり通らず、周囲には杉林が広がっています。ボロの危険を100%回避できるわけではないけど、可能な限り、見守ってあげています。この2年半、とくに大きなケガもなく、病気にかかることもありませんでした。虫に刺されたり小さな傷を作ったりした時は、ごはんに混ぜた薬で治りました。蛇を首にかけてデッキに戻った時は驚いたけど、「ダメ、連れてこないで戻して」と行ったら林に戻しに?いきました。
そんなふうに日々デッキで過ごすうちに、私とも、アイコンタクトが少しできるようになってきたんです。これだけでも大進歩です。
それまで、外の猫は“可哀想だからすぐに家に入れなきゃ”と思っていた私ですが、ボロとつきあって、こういう生き方もありかな、と気持ちが変わりましたね。ボロは外で生活しているけど、彼に限ってはそれが快適そう。顔にかいてあるんですもの。
「ここが俺の幸せな場所。外もまんざら悪くないぜ」と。
だから逆に動かせなくなりました。そこにいて欲しいと思って。ボロが体調を崩して危ないような時は室内にいれて、看取る覚悟はしているけど、それまでは、お外ライフを満喫してほしいなと。
■大好評のボロちゃんカレンダー
昨年11月、保護猫たちの医療費の足しにしたいと思い、カレンダーを作って販売することにしました。
はじめは、子猫たちの写真を使おうかと思ったのですが、インスタでボロを応援してくださる方がいることから、毎月ボロが見られる“ボロちゃんカレンダー”にしました。1350円で50部程作ったら、「ボロちゃんだー」と、あっという間に売れたんです。欲しい~という方がまだいたので、30部増刷するとそれもすぐに出てしまうほどの人気でした。残った1冊を我が家で使っています。
インスタにしばらくボロを登場させないと、フォロワーさんが心配するので、今日のボロちゃんです、と写真をのせると「待ってました」「ありがとう」というようなコメントが寄せられます。周囲のみなさんにも、温かく見守っていただいてる感じですね。
今日もボロはオーニングの上で気持ちよさそうに風に吹かれています。その顔に、もう悲壮感はありません。
たくましく生きてくれてありがとう!これからも元気で長生きしてくれたらうれしいな。
(水野マルコ)
【猫と飼い主さん募集】
「猫をたずねて三千里」は猫好きの読者とともに作り上げる連載です。編集部と一緒にあなたの飼い猫のストーリーを紡ぎませんか? 2匹の猫のお母さんでもある、ペット取材歴25年の水野マルコ記者が飼い主さんから話を聞いて、飼い主さんの目線で、猫との出会いから今までの物語をつづります。虹の橋を渡った子のお話も大歓迎です。ぜひ、あなたと猫の物語を教えてください。記事中、飼い主さんの名前は仮名でもOKです。飼い猫の簡単な紹介、お住まいの地域(都道府県)とともにこちらにご連絡ください。nekosanzenri@asahi.com