2023年2月13日に刊行予定の『スマホはどこまで脳を壊すか』(著・榊浩平、監修・川島隆太)。スマホやパソコン等のデジタル機器を便利に使うことでヒトが“効率的≒ラク”をした結果、脳も一緒にサボっている実態を、最新研究をまじえて検証。さらに“サボらせている”のが成長期の子どもの脳であれば、影響はより深刻で、スマホ依存がいかに学力低下につながるか、衝撃のデータとともに明らかに。
2023年2月13日に刊行予定の『スマホはどこまで脳を壊すか』(著・榊浩平、監修・川島隆太)。スマホやパソコン等のデジタル機器を便利に使うことでヒトが“効率的≒ラク”をした結果、脳も一緒にサボっている実態を、最新研究をまじえて検証。さらに“サボらせている”のが成長期の子どもの脳であれば、影響はより深刻で、スマホ依存がいかに学力低下につながるか、衝撃のデータとともに明らかに。

■今日からできる脱オンライン習慣のススメ

 私の実体験も踏まえて、みなさんに脱オンライン習慣の取り入れ方をご提案します。

 まずはいまの自分にどれだけオンライン習慣がついてしまっているのか把握することがスタート地点になります。みなさんも、少なくとも平日と休日の1日ずつで構いませんので、自分自身の生活の記録を取ってみてください。

 いまの状態がわかったら、続いてそれぞれのオンライン習慣が必要不可欠なものなのか、他のアナログな方法に置き換えられないのかを考えます。参考までに、【表1】(※外部配信先では図版などの画像が全部閲覧できない場合があります。図版をご覧になりたい方は、AERA dot.でご覧ください)で私と担当編集者が実験を通じて把握できたオンライン習慣と脱オンライン生活をご紹介します。

【表1】スマホやタブレットなどの主な用途と置き換え例。『スマホはどこまで脳を壊すか』(榊浩平・著、川島隆太・監修)より
【表1】スマホやタブレットなどの主な用途と置き換え例。『スマホはどこまで脳を壊すか』(榊浩平・著、川島隆太・監修)より

 オンライン習慣のうち、必要不可欠なものは残します。必要不可欠とまではいえなくても、置き換えた場合のメリットとデメリットを天秤にかけて、デメリットの方が大きければ、そのまま維持しても差し支えないでしょう。

 仕分けのポイントは二つあります。一つはオンラインでなければ絶対にできないことなのかどうかです。海外など遠くに住んでいる人と頻繁にやりとりを行なうということは、オンラインでしかできません。また、ニュース速報など情報を即座に得られることもオンラインの特権です。

 もう一つは、楽をしても差し支えない行動かどうかです。脳に負荷をかけて発達を促すことが必要である、勉強などの学習に関わる行動は決してオンラインに置き換えるべきではありません。また、相手の気持ちを推し量ったり自分の感情を制御したりする前頭前野の機能が必要な、コミュニケーションに関わる行動も、オンラインには置き換えられません。

 反対に、お店での会計や公共交通機関の支払いは楽をしても差し支えない行動なので、スマホ決済などは維持する価値があると思います。

 ここまでできたら、最後に実践です。まずは平日と休日、それぞれ1日ずつで構いませんので、脱オンライン生活を体験してみてください。実際に取り組んでみて、改めてオンライン習慣の取捨選択を行ないましょう。アナログな方法に置き換えてみて問題なかったものは、そのまま続けましょう。逆に使えなくなって著しく不便に感じたものは復活させます。

 ちなみに私がアナログの方法に置き換えたのは、スマホのアラーム、ネットニュース、インターネット動画です。

 みなさんも自分のオンライン習慣を顧みて、取捨選択してみてください。この方法であれば、一人ひとりに個別化された最適な脱オンライン習慣を無理なく作ることができます。

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