芙蓉園の「鳳凰蛋(ほうおうたん)」

芙蓉園の「鳳凰蛋」880円。火の通りを均一にするために胸肉を使用。厚みのある淡路島産の玉ねぎの甘さも際立つ/撮影 村瀬高司
芙蓉園の「鳳凰蛋」880円。火の通りを均一にするために胸肉を使用。厚みのある淡路島産の玉ねぎの甘さも際立つ/撮影 村瀬高司

 京都中華の基礎をつくった高氏が、「支那料理ハマムラ」から独立した後、2軒目に開いた『第一樓』で料理長を務めた弟子が1955年に創業。現在は、二代目夫婦が暖簾を守り、広東料理を軸に季節の素材を取り入れた料理を提供している。

「鳳凰蛋」と呼ばれる名物の玉子料理は、開店当時に慌ただしいランチタイムの時短メニューとして初代が考案したものだという。毎日丁寧にとる鶏ガラスープと玉子で鶏肉と玉ねぎをとじた一品は、シンプルながらやさしい甘さととろとろ食感がクセになる味だ。

 高氏がこの世を去ったのは1979年。すでに四十余年が経つが、その味はいまも、多くの人々に愛されている。

(構成 ライター 岡田あさみ/生活・文化編集部)

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