そんな私が、再び花粉症に悩まされるようになったのです。日本を離れ、アメリカのカリフォルニア州に長期滞在するようになってから1カ月半が経った今年の1月中旬のある日のこと。目の違和感を感じる日が増えたなと思っていたら、透明の鼻汁がスーッと垂れるようになったのです。最初は「風邪でもひいたのかな」と考えていたのですが、1週間が経っても改善しないことや、風邪のような怠さもないこと、そしてランニング中にティッシュなしでは走っていられないほどの鼻汁に苛まれるようになったことから、「花粉症かもしれない」と強く思うようになりました。

 調べてみると、カリフォルニア州は海岸気候であるため、他の州ほど深刻なアレルギーは経験しない可能性が高いことがわかりました。また一般に、春のアレルギーは1月下旬頃に始まるということや、北カリフォルニアは、スギ、ヒノキ、シラカバ、オリーブなどに注意する必要がある一方で、私が滞在している南カリフォルニアにおける春の樹木アレルギーにはオリーブ、オーク、プラタナス、クルミ、ユーカリ、桑などが含まれることがわかりました。つまり、日本では花粉症に悩まされることのなかったいずれかの花粉を、私の身体は異物と認識している可能性があるというわけです。

 幸い、ドラッグストアで購入した抗アレルギー薬を内服し、症状はかなり治まってきました。約15年ぶりの花粉症の辛い症状を経験し、健康であることのありがたさを改めて認識する良いきっかけとなったと感じると同時に、早くこの辛いシーズンが終わってほしいと心から思っている今日この頃です。

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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