草深生馬著『チームワーカー Googleで学んだ最速で成長できる行動原則』(朝日新聞出版)※Amazonで本の詳細を見る
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「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」という言葉がありますが、リーダーを補佐するフォロワーシップもリーダーシップと同様、チームワークの大事な要素です。要するに、「リーダー経験者だから、この人は優秀なチームワーカーになりそうだ」などと判断するわけではないということです。

「チームの中での経験からチームワークに関連して何を学んだか」をちゃんと自分なりに説明できる人を求めているわけです。

 チームワークの経験だけでなく、先に述べた自分の強み・弱みのほか、いわゆる「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)を聞く質問は、就活ではとても一般的です。

 どの学生も答えを準備しているし、企業側もそう思って聞いています。そういう定番の質問を学生に「1分くらいで話してください」と言うと、概要を理路整然と話してくれます。でも、それだけだと肝心の中身がわかりません。なので、企業側はそこから掘り下げて質問します。

 そのときにちゃんと具体的に答えられるものを用意しておかないといけません。具体的にどういうことをやって、どういう結果になり、そこから何を学んだのか。それをひと通り盛り込めるエピソードを用意しておくことが望ましいでしょう。

 ちなみに、僕は就活のとき、学生時代に寮長をやっていたこともあって「学生寮のエピソード」、ほぼ一本やりで勝負しました。「同年代に寮長を経験した学生は少ないだろう」という計算もあったからです。

■就活に臨む基本姿勢

 あなたの経験を見直す際には、ぜひ「チームワーク」に注目してほしいと思います。たとえば部活動のエピソードなら、積極的なチームワーク──つまり、個性の発揮とチームワークの両立──を意識できていたかどうか、それを具体的に説明できるかどうかを確認します。そうやって就活できちんと話せるよう準備をしてください。

 ただ一方で、日本企業の中には、組織で何となくうまくやっていけるふんわりした人を、いまだに「よいチームワーカー」と誤解している会社が少なくありません。そういう会社は個性的であることを排除してしまいます。

「この学生は変わりものだな」と感じた瞬間、バツを付けたりするわけです。これは採用側が抱えている大きな問題で、日本経済が成長できない根本的な原因の一つだと思います。

 つまり、「うちに欲しいのは、ただの素直なイエスマンなんだよね」と言っているような会社は成長が見込めないのですから、むしろ、そんな会社には入らないほうがいいに決まっています。なので、もし落とされてもまったく気にする必要はありません。

 言うまでもなく、就活は「自分の強みが活かせる会社を自分が選ぶ」というのが基本です。決して「会社に選ばれる」のではありません。そのことを忘れないでください。