井上監督ら現場の指導者が「選手第一」の視点を重視しているからこそ、前例踏襲が目立つ柔道界で思い切った改革を実現させた。
柔道発祥国として「金」量産の期待がかかる男子代表には、リオ五輪男子73キロ級を制した大野将平(旭化成)らベテランに、男子100キロ級で五輪初出場のウルフ・アロン(了徳寺大職)らフレッシュな顔ぶれが加わった。柔道の最終日には男女6人でチームを組む混合団体戦が五輪で初実施され、まさに総合力が試される。
「選手たちが力を最大限発揮できるように、伸び伸びと戦える環境づくりをすることが我々の仕事。ともに戦っていけるように全力を尽くすのみ」と井上監督。この夏、監督の喜びの涙が見たい。
(朝日新聞社・波戸健一)
※AERA 2020年3月9日号より抜粋