1月29日、上皇さまが一時意識を失ったとき、非常ブザーで知らせたのは美智子さまだった。その美智子さまも体調不良を抱え、背景には「精神的なストレス」も指摘されている。AERA2020年2月17日号で掲載された記事を紹介する。
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昨年5月の代替わり以降、宮内庁から、上皇ご夫妻の健康状態について、発表される回数が増えてきた。お二人とも年齢的には80代半ばにさしかかり、健康問題と無縁ではない生活を送っている。
今年1月30日午後。宮内庁は、上皇さま(86)が同月29日夕に、お住まいの皇居・吹上仙洞御所で一時意識を失い、倒れる症状があったと発表した。
同庁によると、上皇さまが意識を失ったのは、私的な外出先から御所に帰った約1時間後。そばにいた上皇后美智子さま(85)が、上皇さまの体を支えながら非常ブザーで、侍医を呼んだ。侍医らが駆けつけた時、上皇さまはいびきのような息づかいをしていたが、間もなく意識は回復したという。上皇さまは担架で寝室に運ばれ、夕食はとらずに休んだ。
翌朝、上皇さまはいつもと同じ時間帯に起床。美智子さまと一緒に朝食をとり、午前中には宮内庁病院で頭部のMRI検査と専門医による診察を受けた。検査の結果、脳梗塞(のうこうそく)などの病気が疑われるような所見は認められず、同庁は、引き続き経過観察を続ける方針だ。
上皇さまについての体調不良の発表は昨年7月にもあった。強い脳貧血の症状がみられたという。上皇さまは夕食前に御所の食堂で立っているのが難しくなり、美智子さまが侍医を呼んだ。この日は定期的な健康診断を受けていて、検査による疲れが影響したとみられている。
いずれの場合も上皇さまの体調不良に気がつき、非常ブザーで知らせたのは美智子さまだった。宮内庁幹部は、「上皇后さまは、上皇さまの日常におけるご生活ぶりなどを一番ご承知。お体のご変調に一番最初にお気づきになる」と話す。