テレビを静かに見ていてくれると親はラクだが……自制も必要(写真/gettyimages)
テレビを静かに見ていてくれると親はラクだが……自制も必要(写真/gettyimages)
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 赤ちゃんがテレビやDVDに集中していると、親の用事ははかどります。なので、料理や洗濯などの家事をしたいときにテレビやDVDはもってこいです。私も、息子が小さいころ、仕事から帰宅したら、乳幼児向け通信教材のDVDを見せ、その間に夕食づくりをしていました。スムーズに料理が作れるのでとってもラクだったのですが、何となく心に残るものは「罪悪感」と「不安」。こんなに小さい時から見せていて大丈夫かしら?と思いつつ、帰宅後の時間のない中、自分の用事を優先し、DVDを見せていたことを思い出します。今回は、赤ちゃんとテレビやDVDの付き合い方について話します。

●テレビやDVDのメリットとデメリット

 テレビやDVDのメリットは、知らない歌やダンスやお話、家とは違う世界をテレビやDVDで知ることができることです。そして、親の育児がラクになる点もメリットのひとつです。

 逆にデメリットは、実体験や親子のやり取りの機会が減ってしまうという点。テレビやDVDは見ている人が「受け身」になります。赤ちゃんや幼児が長時間テレビを見ることによってわかってきたことは、

・未熟な脳へ刺激が強い
・発達に影響する可能性がある
(表情が乏しい、言葉の遅れ、視線が合わないなど)
・自分で考える機会が減る
・肥満傾向がある

 テレビやDVDは、自分の意志に関係なく、一方通行に情報が入ってきます。一方通行ということは考えることをしないということです。日本小児科学会では、

・2歳以下はテレビやビデオを見せないようにする
・テレビはつけっぱなしにせず、見たら消す
・授乳中や食事中はテレビをつけないようにする
・乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせる
・子ども部屋には、テレビ・ビデオを置かないようにする

 など、提言しています。

●テレビやDVDを見せるときのポイント

 とはいえ、テレビが普及している現代ですから。「見せてはダメ!」というのはなかなか難しいのが現状です。以下を参考にしながら、家のテレビのルールを作ってみましょう。

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ルールで大事な4つのポイント