1.2歳までは1回の視聴時間は30分以内。2歳以降も30分を目安にして長くとも1時間以内
2.なるべく、毎日同じ時間に見るというリズムをつける
3.親がそばで赤ちゃんの様子を見守る。明るい部屋で見る
4.赤ちゃんにとって刺激が強くない番組にする(題材は吟味する)
今思うと、私の息子が乳幼児の時にDVDを見せていた際の「罪悪感」は「息子に一人で見せていたこと」なのです。30分ずっと一人でテレビを見せるのではなく、テレビを親子のスキンシップにするだけで、赤ちゃんへの影響は変わるはず。また、テレビで見た歌や踊りを普段の遊びに取り入れることもできます。歯磨きの話を見たら歯磨きを生活習慣に取り入れやすくなることもあります。テレビやDVDは「悪い」だけではなく、見せ方や取り入れ方ひとつで上手に活用できるのです。
●1日の遊べる時間は意外に少ない
1日は24時間です。赤ちゃんの生活の時間を考えると、夜の21時~7時まで10時間。お昼寝が1回2時間を考えると、起きている時間は12時間。その12時間の間に、食事が1日3回で、前後も合わせて30分×3回+おやつで2~3時間。お風呂は前後合わせて1時間。おむつ替え、着替え、授乳もある。お買い物に行く日もあるでしょう。と考えると赤ちゃんが純粋に遊べる時間は、6時間もないかもしれません。6時間の間に、テレビ以外にできる、外遊びやお母さん、お父さんとのふれ合いの時間をできるだけつくる意識を持ってほしいと思います。
以前保育所で、2歳児の保護者の方に「最近、集中して遊べるようになってきました」と報告すると「そうなんです。テレビを見ているときの集中力は本当にすごいんです!」という返事が返ってきたことがあります。何度も繰り返しますが、テレビは一方通行の情報です。考えることをしなくても見ることができます。本当の集中力というのは、自分で手や身体を動かし考えて行動している姿。ここは勘違いしてほしくないと思います。
テレビ番組は次々と終わっては始まり、視聴者が「見たくなる」ように作られています。とはいえ、ここは親も子も我慢のしどころ。テレビを消して子どもが泣いたとしても「もうおしまい」というけじめを習慣にするのも、親ができる愛情のひとつなのです。(文/中田馨)
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