しかし先発再転向を目指した2021年から制球を乱して低迷。持ち味だったスピードの低下にも苦しみ、昨年はプロ入り後最低となる4試合の登板、防御率13.50という成績に終わった。今年は復活に向けてフォームを改造。持ち味であるボールの勢いが戻り、キューバ代表との練習試合でも好投するなど復調の兆しを見せている。過去のWBCでもアンダースローの渡辺俊介(当時ロッテ)、牧田和久(当時西武)が活躍を見せており、今後の侍ジャパンのことを考えても完全復活に期待したい。

 野手で年々厳しい立場になっているのが小林誠司(巨人)だ。プロ入り3年目の2016年からは4年連続でセ・リーグトップの盗塁阻止率をマークするなど活躍。2017年のWBCでは正捕手不在と言われたチームの中でも7試合に出場すると、チームトップとなる打率.450を記録するなど、シーズン中でも見られなかったような打撃を見せて大きな話題となった。

 続く2019年のプレミア12でも正捕手は会沢翼(広島)に譲ったものの、控え捕手として存在感を示している。しかし翌2020年以降は故障と大城卓三の台頭もあって出場試合数が激減。課題の打撃はさらに深刻な不振に陥り、過去3年間の打率は.056、.093、.148と低迷している。昨年は盗塁阻止率も.214とキャリア最低の数字となっており、持ち味である守備面でも苦しんでいる状況だ。今年、成績を上向けることができなければ2番手捕手の座も危うい状況と言えるだろう。

 同じ捕手では小林のところでも名前を挙げた会沢も選手としての分岐点に立っている状況だ。一軍定着までは時間がかかったものの、シーズン二桁ホームランを3度記録するなど強打の捕手へと成長し、チームのセ・リーグ3連覇にも大きく貢献。2019年のプレミア12でも7試合に出場して打率.333と結果を残している。2021年の東京五輪でもメンバーに選ばれていたが、左足を痛めたことで出場辞退。昨年も打率.207と成績を大きく落としている。

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この中で今季復活を遂げる選手は出てくるか