常田大希、井口理、新井和輝、勢喜遊の4人組バンド、King Gnu。年末には紅白歌合戦に出場、サードアルバム「CEREMONY」をリリースして躍進中の彼らが、自分たちのいまを語った。
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バンド「King Gnu(キング ヌー)」は、東京藝術大学音楽学部器楽科チェロ専攻出身の常田大希(27)を中心として、ジャズのセッションミュージシャンとして活躍していたベースの新井和輝(27)、ドラムスの勢喜遊(27)、常田の幼馴染みで藝大音楽学部声楽科出身のボーカル、井口理(26)が加わり結成された。
クラシックやジャズの素養があり、高い演奏力と楽曲構築力を持ちながら、彼らがこだわるのはJ−POPのような「わかりやすさ」だ。
常田大希:日本の音楽業界で活動している以上、たとえば紅白歌合戦やテレビ出演に対してもちゃんと挑戦していきたいということで、このバンドは動いています。メンバーは各々、ある程度アンダーグラウンドで活動してきたミュージシャン。そんな僕らが、冒険心じゃないですが、メジャーシーンはどんなものかなと思ってやってみる。そういう感じかもしれません。
井口理:僕は長野から上京してきた時に、「夢を掴むぞ」みたいな気持ちはあって。そんなふうに東京に出てきたので、夢を掴めてよかったなと思う。
常田:早くない? (笑)。正直なところは、まだ掴んでいないよね。
現代のポップミュージックには、刺激よりも癒やしが求められているのかもしれない。だが、King Gnuの音楽は、上質なポップミュージックでありながら、どこかざらざらした違和感や、ごわごわした闘争心をはらんでいる。
常田:僕らが出てきた2、3年前の頃は、耳触りの良い音楽、それこそチルサウンドと呼ばれるような音楽が幅をきかせていたので、それに対してカウンターをかましたい、という気持ちはありました。汚いアプローチもするし、もともと汚いサウンドが好きなんです。
新井和輝:僕もチルな音楽はとても好きだし傾倒もしていますが、バンドという存在自体がそういうものに対するカウンターだと思うんです。バンドである以上、フィジカルさや粗さは排除できない。自分たちはアンダーグラウンドシーンでセッションしてきた中でも、動的なアプローチをしていたと思いますし、それがバンドの身体性の高さ、フィジカルさにつながっていると思います。