AERAで連載中の「いま観るシネマ」では、毎週、数多く公開されている映画の中から、いま観ておくべき作品の舞台裏を監督や演者に直接インタビューして紹介。「もう1本 おすすめDVD」では、あわせて観て欲しい1本をセレクトしています。
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ミュージカルの金字塔「キャッツ」の実写映画化でヒロイン・白猫ヴィクトリアを演じたフランチェスカ・ヘイワード(27)。英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル(トップダンサー)だが、映画は初出演だ。
「8歳のときビデオで『キャッツ』を観て以来、ヴィクトリアの踊りをよく真似していたんです。大役のプレッシャーはあったけれど、監督との共同作業で、シャイな子猫が勇敢に成長していく姿を表現できたと思います」
監督は「レ・ミゼラブル」の映画化を成功させたトム・フーパー。役者の動きや表情を生かしながら、視覚効果とモーションキャプチャーの技術で、フワフワと毛がなびき、耳や尻尾が自在に動く“キャッツ”たちを作り上げた。
「初めて予告編で自分の猫姿を観たときは、耳や尻尾が自分にフニャフニャとついている様子がシュールだと思いました(笑)。でも完成版を観たらとても素敵で、特に毛並みの感じが気に入っています」
演じるにあたり、猫の動きを参考にしたのだろうか?
「もちろん! 私は大の猫好きでサイモンという名前の7歳の猫を飼っています。猫の動画をネットで観るのが趣味で、普段からかわいい動画を探しては友人に送りつけている。普段やっていることを、演技に役立てた感じです」
最大の難関は歌だった。本作では俳優全員が演技をしながら生で歌っている。
「最初のオーディションで『歌ってみて』と言われたとき、自分でもびっくりするほど全身がガタガタ震えてしまいました。いつもあんなに大勢の前でバレエを踊っているのに! その後、ボイストレーナーの指導を受けて徐々に自信をつけたけれど、それでも歌は本当に緊張しました」
ミュージカルの生みの親である作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーと出演者の一人テイラー・スウィフトが書き下ろした新曲を歌った。