小保方さんは「STAP細胞」の発見、小室さんは「皇族との結婚」目前、ある種の頂点に立った。経緯も状況もまるで違うが、今そこにいないことは共通だ。頂点が高ければ高いほど、いなくなったことを叩(たた)きやすいし、叩けば溜飲(りゅういん)が下がる。そして2人は「読まれる人」になる。
世の中の空気をそう理解すれば、400万円を返済してもなお、あげつらう人は消えない。そんな気がするのだ。
結局、最後は2人の決断だと思う。「再延期」も報じられているが、どう決めたところで、何かは言われる。だから、「熟慮したが、とにかく結婚する」のも一つ、「借金を返し、結婚する」のも一つ。「皇籍を離脱し、一般人になって結婚する」という道を、皇室典範に照らし合わせて提案する元官僚の文章も読んだ。時間をあけ、一時金を辞退し、結婚するという道筋で、大胆かつ有効だと思う。
いずれにしても眞子さまには、自分の気持ちを大切にしていただきたい。月のうさぎを信じるように、自分の気持ちを信じることだと思う。人生は他の誰でもない、自分で歩むものだから。
眞子さまの倍も生きている者として、ささやかに思っていることだ。(コラムニスト・矢部万紀子)
※AERA 2020年2月3日号

