彼はボランティアとしてのやり甲斐を、「子どもたちがプログラミングを楽しんでいる姿を見るのが楽しい」と話す。また、「CoderDojo」を「コミュニティとしてのサステナビリティをどのように作っていくか」も考え中だとか。現在だけでなく、5年後、10年後の姿も見据えていることに脱帽した。

 宮島君は最近、「CoderDojo」のほかにコンピュータやプログラミングが好きという共通の趣味をもった多年代の人たちの居場所になるような、新たなコミュニティーづくりも始めているという。こういった活動を進めている中で、企業からの機材支援もあるようで、地道な取り組みが企業にも評価され始めているようだ。

 また、プログラミング教材を開発し学校を支援しているベンチャー企業「T-fab」の代表、高松氏も茨城県内で2カ所の「CoderDojo」を運営している方だ。

 ふだんの忙しい生活の中、「CoderDojo」でボランティアする意義を問うと、「思い通りに動いた時、できた時の子どもたちの目の輝きです。週末、パソコンを10台近く運び込む疲れも、子どもたちの笑顔で吹っ飛びますよ」と語る。苦慮する点を聞いてみると、「大人のボランティアと参加する子どもたちの数のアンバランスがあり、多く開催したくともできない歯痒さ」もあるという。

 最後にもう一人、最近「CoderDojo」の運営を始めたという、お母さんを紹介したい。渋谷区に住む相川さんだ。もともとお子さんが通う学校のPTA役員をやっていた相川さん。PTAで主催したプログラミング教室がきかっけで、地域と連携した「CoderDojo」を設立したい、という思いがつのり、教育やITエンジニアなどの知識を持つ保護者が中心になって動き出したそうだ。

「昨年末に始めたばかりで、まだ知り合いがのぞいてくれる程度なんですよ」と遠慮がちに語るが、「永続的なシステムを作るため、地域の商店街や町内会と繋がったり、他の地域の保護者と連携をとったりすることも考えています」と意欲的だ。

 みなさんに共通しているのは、子どもファーストの思いだ。もちろん、政府主導のプログラミング教育も、ブラックと称されながらも献身的に研究に取り組んでいる先生方の思いも同じだろう。

 2020年度の必修化を直前にして、プログラミング必修化は成功するか、失敗になるか、表層的な結果だけを追い求める風向きもあるようだが、子ども主体に考えている人たちの地道な活動を考えれば、成功も失敗もない。前進するのみである。

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