店内には稲垣さんだけでなく「新しい地図」のメンバー3人の絆も見える。例えばレストランの天井に施されたオブジェは三つの図形を絡み合わせ、3人のワンチームぶりを表現したかのよう。

 またカフェ好きで知られる草なぎ剛さん(45)は、店づくりについてもさまざまにアドバイスしたという。例えば「J_O CAFE」の人気メニュー「J_O暖ハンバーガー」(550円)は草なぎさん考案のカフェメニューとして知られる。ニンジンのナムルやピリ辛ソースなど、韓国テイストのユニークなハンバーガー。個数限定で、提供を待つ人の列が絶えない、この店の大ヒットメニューだ。

 一方、店内のインテリアなどは、香取慎吾さん(42)の影響が大きい。まず店名となっている「J_O」からして、香取さんが18年8月に東京・内幸町の帝国ホテル内にオープンしたショップ「JANTJE(ヤンチェ)_ONTEMBAAR(オンテンバール)=やんちゃとおてんばの意)」の頭文字を取ったもの。ちなみに同店はファッションブランドとコラボしたオリジナルウェア、帽子、バッグなどが揃うショップ。完売商品もたびたび話題になっている。

「BISTRO J_O」は、そのフレンドショップという位置づけで、店内のあちこちで見かけるお店のキャラクター「J_Oくん」も、香取さん自らがデザインした。

 またレストランもカフェも、アート作品に囲まれて、店内はギャラリーのようだ。これまで、13人の若手アーティストたちと共演した「NAKAMA de ART(ナカマデアート)」(18年)や、初個展となった「BOUM(ブン)!BOUM(ブン)!BOUM(ブン)!」(19年)などアーティストとしても活発に活動してきた香取さんだが、その活動を支えてきたチームが、この店のインテリアワークも担当したという。

 香取さん本人の作品は1~2点だが、展示されている他アーティストの作品の一部は、実際に販売もおこなう。最近の彼が身を置くようになった最新のアートシーンにも触れながら、アーティストたちを応援できる、ユニークな空間となっている。

 12月のとある週末。再び「BISTRO J_O」を訪ねてみた。「J_O CAFE」は、今日も限定メニューを待つお客さんで大賑わいだ。3人を思ってホットドリンクをフーフー。心も体も温まる。(ライター・福光恵)

AERA 2020年1月13日号