バルサアカデミー福岡校時代、国際大会で優勝トロフィーを手にした冨安健洋は現在、日本代表でも活躍。当時から、五つの価値観では特に「謙虚さ」「努力」が図抜けていた(写真提供/バルサアカデミー福岡校)
バルサアカデミー福岡校時代、国際大会で優勝トロフィーを手にした冨安健洋は現在、日本代表でも活躍。当時から、五つの価値観では特に「謙虚さ」「努力」が図抜けていた(写真提供/バルサアカデミー福岡校)
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  堅守のサッカーを誇る「カテナチオ」の国、イタリア。守備を徹底しながらゲームをコントロールするイタリアの伝統的な戦術だ。

 その国内サッカーリーグ「セリエA」のボローニャに日本人センターバックとして移籍したのは、DF冨安健洋(21)だ。ベルギー1部シントトロイデンでプレーしていた冨安は、19歳の時に日本代表としてデビュー。今年6月にブラジルで開催されたコパ・アメリカ2019(南米選手権)でも評価を高め、7月に入りボローニャに完全移籍を決めた。

 冨安の最大の魅力は、なんといってもプレーの安定感だ。188センチの長身を生かし、競り合いにも負けない。加えて、冷静な判断でディフェンダーながらゲームを組み立てられる存在感もある。「守備」に目の肥えたイタリアのサッカーファンをうならせている。セリエAでは、今シーズンの開幕戦からデビュー。スピードも求められるサイドバック、そして本業のセンターバックで活躍を続けている。

GKからパスつなぐサッカー

 しかし、10月、日本代表のモンゴル戦で負傷し、セリエAリーグ戦の欠場を余儀なくされた。すると、イタリア国内のメディアはこぞって「痛手だ」と報道。移籍後わずか数カ月間ながら、堅守の国でその存在感を着実に高めていた証しでもあった。いまではボローニャで欠かせない存在になっただけでなく、国内外の強豪クラブからも熱い視線が注がれている。

 その冨安はかつて、スペインの名門クラブ・FCバルセロナの「教え」を受けていたことがある。実は、サッカースクール「バルサアカデミー」の出身なのだ。

 バルサアカデミーは、FCバルセロナの育成メソッドを軸とするサッカースクールだ。未就学児から小学生に向けて、日本では東京や福岡など全部で4つのスクールを展開している。

 バルセロナのトップチームと同じく、ゴールキーパーから丁寧にパスをつなぐサッカーを重視する。スピードに乗っても、相手のプレッシャーがあっても、疲れていても「止める」「蹴る」「運ぶ」がぶれないだけの個人技術も養っていく。

 もっとも、サッカーに偏重しているわけではない。人間的な成長も重視している。日本のバルサアカデミーを運営するアメージングスポーツラボジャパンで代表取締役社長を務める浜田満さんはこう話す。

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