

AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:過去の記憶が時々よみがえって苦しくなります。20年以上前のことでも、母や姉などからされた嫌な思いを思い出しては傷つき、他人へ嫌な思いをさせてしまったであろう出来事を思い出しては自分を責め、苦しくてたまらなくなります。どうすれば前に進むことができるのでしょうか。(女性/会社員/26歳/ふたご座)
A:寒い日が続きますが風邪などひいていませんか?
いろんなハードな仕事が終わって一息ついたときに限って、風邪をひいたりしますよね。なんでこんなことを言うかというと、風邪と同じで、自分が傷つくことができるタイミングで傷はやってくるものだと思うんです。
過去を思い出して、苦しくてたまらないのは、いま過去の時間をやり直しているから。その出来事の最中にいたときは、苦しくても前に進まなければいけないから、傷つく暇がなかった。
傷つけられてきた人は、人を傷つけることに敏感になることができます。それをやり直すのは苦しいかもしれないけど、そこにたどり着いたあなたは立派だと思います。
最近僕は恋愛について考えることが多いのですが、恋愛はただ好きって言い合う関係じゃなくて、「自分ってこんな嫌なやつだったんだ」と気づかされる関係という面もあります。友達とは違う、壁が取っ払われた関係性だからこそ、他では見られない自分の姿が見えてしまう。恋人を何げない一言で傷つけてしまった。なんであんなことを言ったんだろう、とひもといていくと、自分が言われたひどい言葉までよみがえってくる。
どうしたら前に進むことができるでしょうか、と聞かれることは多いのですが、お伝えしたいのは、前に進まない選択も大事だということです。無理にいろんなスイッチを起動して前に動かそうとすると、ドツボにはまることがある。「苦しいけど、大事な問題。そばに置いておこう」という気持ちでいてください。