代表合宿の序盤にはキャンプで調子の上がらなかった宇田川を心配する声もあったものの、ダルビッシュ有(パドレス)のフォローなどもあって見事に復調。その他の選手も持ち味を十分に発揮している。今後の戦いでも、彼らの力が必要な場面も多くなるだろう。

 そして1次リーグで圧倒的な存在感を示したのはやはり大谷翔平(エンゼルス)である。開幕戦では先発投手としてほぼ完璧な投球で試合を作ると、野手としてもここまで12打数6安打をマークし、4本が長打(3二塁打、1本塁打)で8打点と中軸として見事な成績を残しているのだ。速いボールへの対応についてはまだ調整中という印象は否めないが、それでもこれだけの数字を残せるのは“凄い”の一言であり、相手バッテリーに与えるプレッシャーは計り知れないものがある。

 またプレー以外の面でも他の選手に積極的に声をかけ、チームを盛り上げようとしている姿勢が見られる。かつて大会連覇を達成した時にイチロー(マリナーズ)がチームに与えていた安心感も相当なものがあったが、現在の大谷の存在感はそれを上回るものがあるといえそうだ。

 ここまではプラスの面について触れてきたが、一方で不安要素があることも確かである。特に痛いのは東京五輪で抑えを務めた栗林良吏(広島※1次リーグで離脱)と、守備の要であるショートの源田壮亮(西武)の故障だ。栗林の穴については大勢、伊藤大海(日本ハム)、湯浅、宇田川などリリーフ陣が好調なだけにそこまで大きな問題ではなさそうだが、やはり気になるのは源田の状態だ。

 韓国戦で右手小指を骨折して途中交代となり、その後の2試合を欠場。今後もチームに帯同するといわれているが、本来のプレーができるかは未知数である。代役として出場している中野も打撃、走塁面では見事な活躍を見せているものの、チェコ戦では悪送球でタイムリーエラーを記録しており、その後もスローイングは少し不安定な印象を受ける。今後は1点を争う展開となる可能性も高いだけに、このまま中野に任せるのか、源田を強行出場させるのか、大きな決断を迫られることになりそうだ。

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栗山監督は“決断”も必要?