■本企画で検証する11のうわさ
1.プリン体ゼロのお酒ならいくら飲んでも大丈夫?
2.プリン体が多い食品を避けていれば大丈夫?
3.お酒を飲まなくても高尿酸血症・痛風になる?
4.尿酸値が上がりやすい、痛風になりやすい体質がある
5.運動やサウナは痛風にもいい?
6.痛風発作が起きなければ問題ない?
7.尿酸値は基準値(7.0mg/dL)に下げればいい?
8.痛風の症状が出たら、すぐに尿酸値を下げる薬を飲む?
9.50歳以降は痛風発作が出にくくなる?
10.女性は高尿酸血症・痛風にならない?
11.食べ物、飲み物、漢方薬で治せる?
※6~11については後編で取り上げます
【1】プリン体ゼロのお酒ならいくら飲んでも大丈夫?
残念ながら、答えは×です。アルコール自体が尿酸値を上げるため、尿酸値を上げる成分である「プリン体」がゼロのお酒であっても尿酸値は影響を受けます。その理由を、日本痛風・尿酸核酸学会理事長で国立病院機構米子医療センター院長の久留一郎医師はこう解説します。
「アルコールは体内のエネルギー源である『ATP』といわれる物質の分解を促進するため、ATPが分解されることでプリン体が増え、そのプリン体はやがて尿酸として体の中にたまります。また、腎臓の機能低下により、尿酸がからだから排出されにくくなるため、それによっても尿酸値が上がります」
プリン体の多いものよりは少ないものを選べばプリン体の摂取量を減らせるのは事実です。だからといってその分多く飲めば、アルコールそのものの影響でプリン体が作られ、尿酸値が上がってしまいます。まずは全体の酒量を適正に抑えるのが重要ということ。飲みすぎは痛風以外にも、アルコール依存症、脂肪肝や肝硬変、そして全身の臓器に影響を及ぼします。
【2】プリン体が多い食品を避けていれば大丈夫?
答えは×です。プリン体を多く含む(100g中200ミリグラム以上)食品を「高プリン体食品」といい、プリン体含有量をまとめたリストはインターネットなどで見ることができます。しかし、予防医学に力を入れる山王メディカルセンター院長の山中寿医師は「リストを参考にする際には留意点がある」と言います。