すららコーチとのやり取りの中で、娘が人一倍繊細で敏感な特性を持っていることに気づいた。「お母さんは悪くない」と言われ、親子関係も好転した。
不登校では不規則な生活になりがちだが、この女子生徒は学校に行くのと同じ時間に起きて、洋服を着替え、1日平均2時間以上の学習を継続。毎日の内容をコーチが細かく決めず、やりたい科目に取り組んだ。
「通学してる子より頑張ってる」
といったコーチの声かけも励みになった。母親が学校の担任に出席扱いについて相談すると、
「今の時代、学ぶ場所は学校だけではない。自分で勉強するという選択肢があってもいい」
と理解を示し、校長と教育委員会に掛け合ってくれたという。学習履歴を毎月提出し、中学卒業時の通知表では「欠席ゼロ」。高校も志望校に合格した。
高校のクラス分けでは上位クラスに入り、現在の成績はほぼ5。オンライン学習で高い学力が身についた証しだ。高校には毎日通い、生徒会副会長を務めるほど高校生活を謳歌している。
「周りに認められたことが親子とも自己肯定感につながり、環境が変わった」(佐々木さん)
出席扱いには要件があり、学校によっても対応が違う。ただ、オンライン学習が、不登校児に新たな選択肢を与えているのは間違いない。(編集部・高橋有紀)
※AERA 2019年11月18日号