2003年3月~2011年12月


イラク戦争でクルド人は米軍のイラク北部攻略の尖兵として活躍。米国が擁立したイラク政府は2005年の新憲法で北部4県をクルド自治区と定め、独自の軍、議会を持った

2014年6月
「イスラム国」(IS)はイラク北部のモスルなどを制圧、バグダッドに迫る。イラク政府軍が敗走する中、クルド人部隊は油田地帯キルクークなどを守り抜く。シリアでのISとの地上戦でクルド人主体の「シリア民主軍」は主力となり掃討に成功

2015年9月30日
ロシアが「IS討伐」を名目にアサド政権支援に参戦。ISだけでなく反政府側も爆撃

2016年8月24日
トルコもシリアに出兵。ISを攻撃したが、ISと戦っていたクルド人主体の「シリア民主軍」と武力衝突が頻発。米国はトルコ支持

2017年9月25日
イラク北部のクルド自治区の住民投票で独立賛成が93%。米国はトルコ等への影響を警戒し住民投票に反対。イラク政府は独立を認めず

2018年1月20日
トルコ軍は再びシリアに侵攻。シリア政府軍、シリア民主軍と戦闘。シリア北西部アフリーン市(アレッポの北西約40キロ)から、約120キロ東のユーフラテス川までの地帯を占領。米国は黙認

2019年
10月6日 トランプ米大統領が米軍のシリアからの撤退を発表

10月9日 トルコ軍がシリア北東部に侵攻

10月14日 トランプ氏がトルコのエルドアン大統領に侵攻停止を求め経済制裁を発表

10月16日 トランプ氏がホワイトハウス記者団に「トルコのシリア侵攻は我々の国境の問題ではない」と述べる

10月22日 ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が会談、停戦合意
(軍事ジャーナリスト・田岡俊次)

AERA 2019年11月11日号