高位は「多い」、中位は「中くらい」、低位は「少ない」という理解でいい。

 今回は減少傾向の強い魚16種を取り上げ、水産庁のデータだけでは資源量が判明しない「国際資源」のマグロ、カツオ、さけ、サンマも含めた。

 表を見ると、ホッケ、カレイ、マグロ、サバなどが特に危機的状況だとわかる。サンマは表を見る限り余裕がありそうな印象だが? チャートの作成に協力いただいた世界自然保護基金(WWF)ジャパンの前川聡さんは語る。

「サンマは『中位』で推移してきたものの、毎年じわじわと減り続け、結果的に過去10年で資源量が半分近くに減っています。サンマはロシアや台湾、中国、韓国での漁獲量も増えていますので、各国間で協力して国際的に管理しないと『減少を心配せずに食べ続けられる』とは言い難い状況なのです」

 サンマといえば日本の秋の味覚と思い込んでいたが、ロシア人や台湾人も好むとは。ほかの魚も同じなのだろうか。世界の水産資源の回復を目指す国際NPOの海洋管理協議会(MSC)日本事務所代表、石井幸造さんはこう話す。

「魚が減っている要因として、過剰な漁獲が挙げられます。健康志向の高まりや経済発展などにより、日本以外の国でも魚が好んで食べられるようになりました。こうした世界的な魚介類への需要の高まりが、過剰な漁獲につながっている可能性は否めません」

(サステナブル・フードジャーナリスト・浅野陽子、編集部・中島晶子)

AERA 2019年9月30日号より抜粋

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