夜なかなか寝てくれない赤ちゃんに手こずる親は多い(写真/gettyimages)
夜なかなか寝てくれない赤ちゃんに手こずる親は多い(写真/gettyimages)

 生後3、4カ月になると、昼と夜の区別がだんだんつき始め、起きている時間が長くなり夜はまとまって寝るようになります。でも、新生児の頃から引き続き「昼夜逆転で寝てくれない」と言うねんねの悩みはあります。ある程度体力がついてきた3、4カ月の赤ちゃんが夜にお目めキラキラで起きていたら、「うそでしょ・・・どうして?」と思うと思います。私の保育所では生後43日目の赤ちゃんからお預かりしていますので、朝にヘトヘトになって出勤する親たちの姿を多く見てきました。今回は、そんな赤ちゃんの昼夜逆転の対策をお話します。

●どうして昼夜逆転するの?

 私たち大人には、朝は目が覚めて夜は眠くなるという「体内時計」があります。しかし、赤ちゃんにはこの体内時計がまだありません。新生児の赤ちゃんは昼夜の区別なく、飲んで寝てを繰り返しています。それが1カ月を過ぎると起きている時間が長くなります。まとまって寝ることがまだできないので、寝たり起きたりを繰り返しています。昼夜逆転を大きく感じるのは3カ月以降。起きている時間も長くなり、夜長く寝るようになるはずが、昼に長く寝て夜に長く起きるようになることも。昼夜逆転が起きるのは、3カ月頃から昼夜の区別がつくようになってくる赤ちゃんの発達を、見極めきれていないことに一因があります。

●昼夜逆転しないための対策

 保育所で昼夜逆転している赤ちゃんがいた場合、ママやパパに言っていることは4つです。

1.朝起こす時間を毎日同じ時間にしましょう
2.朝起きたらカーテンを開け太陽の光を窓から入れましょう
3.夜寝かせる時間を毎日同じ時間にしましょう
4.家族全体が、赤ちゃんが寝るリズムに合わせましょう

 この1と3をすることで生活リズムがつきます。起きる時間と寝る時間が決まると、おのずと授乳時間、少ししたら始まる離乳食の時間が決まります。2と4は朝と夜を赤ちゃんに覚えてもらうためです。家族の協力が必要なものもありますが、赤ちゃん中心の生活に徐々に変えていくことを親が意識づけすると、結果的に将来の子どもの生活リズムにも役立ちます。

 昼間は、授乳、午前睡、授乳、午後睡、授乳と繰り返しますが、昼夜逆転している場合は、長くても2時間程度を目安に起こしてみましょう。特に午後睡は長時間寝かしすぎないようにします。例えば18時まで寝ていたら、夜寝る時間に影響が出ます。16時頃を目安に起こします。昼寝は、部屋を暗くする必要はありません。保育所では、日差しが強ければレースのカーテンをしますが、明るい環境で寝かせています。また、活動している時間は特に音楽をかけるなどして、にぎやかにしてもいいですね。

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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