東京基督教大学特別教授(公共哲学)で、「みんなの品川をつくる会」共同代表の稲垣久和さんは、今回の国の計画は憲法上の問題があると指摘する。
「平穏に暮らしている人口密集地の上空に飛行機を飛ばすことは、憲法が保障する『幸福追求権』を侵害しようとしている」
幸福追求権を定めた憲法13条は「公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」としているが、公共の福祉とは「公益および公の秩序」ではなく「市民の幸福」のこと。その幸福が脅かされると稲垣さんは言う。
「このままでは日本の民主主義の崩壊であり、次世代に遺恨を残すことになる。国はいま一度、国民の間の合意形成に努めるべきだ」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2019年8月12・19日合併増大号より抜粋