爪甲剥離症が尋常性乾癬などの皮膚疾患に関連して生じている場合は、爪以外にも皮疹が存在します。頭の湿疹が関係している場合もあるので、一般の人はなかなか気が付きにくいと思います。他の部位に存在する皮疹が消失した際に、爪甲剥離症も軽快すれば、皮膚疾患に伴った爪甲剥離症であると診断できます。しかし、他の部位に皮疹がなく、爪の根元にもほとんど炎症がない場合は、カンジダなどのカビを原因として疑います。また、けがや、指先を使いすぎるなど、外的刺激が過剰にかかっている場合なども原因になるでしょう。
患者さんから聞かれることが多いのが、爪甲剥離症がある状態でネイルをすることはできるかどうか、という質問です。ジェルネイルの場合、硬化する際に収縮作用が働くため、爪甲剥離を悪化させる可能性があります。そのため、爪甲剥離がある患者さんは、ネイルをしないほうが良いでしょう。マニキュアなどの化学製品が原因として疑われる場合は、マニキュアなども控えることをお勧めします。反対に、外的刺激が原因の場合は、トップコートなどで爪を保護したほうが良いこともあります。ケース・バイ・ケースなので主治医に相談したほうが良いでしょう。
爪甲剥離症は、原因がさまざまです。そして、原因によっては治る病気です。まずは皮膚科専門医に診てもらうことをおすすめします。