──共産党は天皇制そのものに賛成ですか、反対ですか。
天皇が世襲されるという制度は民主主義や人間の平等の原則と両立しません。ですから将来の展望として、天皇の制度のない民主共和制という政治体制の実現を図るべきだとの立場です。国民の総意で、天皇の制度の存廃の問題を解決する時が必ずやってくると考えています。
ただ一方で、憲法は天皇を国民のコントロール下に置き、政治的権能を持たせないことを厳密に定めているので、憲法のこの制度を守る限り社会変革を進める上で天皇は障害になりません。だから今の政治を変える上で、私たちは、天皇の制度をなくす運動を起こすことが必要不可欠だとも、適切だとも考えていません。
──存廃とおっしゃいましたが、存続もあり得るのですか。
この問題の解決には長い視野が必要だと考えています。なので、日本が将来、社会主義的変革に踏み出したとしても、その時点では天皇の制度が存続していることは、理論的にはあり得ると考えています。
──天皇制が残っていてもいいというのは、革命の旗を降ろしたように聞こえますが。
革命の立場は貫いています。綱領では、アメリカへの異常な従属と財界中心主義という二つの歪みを正す民主的な革命を行うという大方針を掲げています。その際に、天皇は政治的な権能を一切有しないので、障害にならないということです。
──今回、国民は皇室ブームと言えるほどの歓迎ムードです。
天皇の代替わりで安倍政権が行っている、天皇とその制度を過度に礼賛したり、国民に祝意を強制したりするキャンペーンについては憂慮しています。令和になったから時代が変わる、古いことは全部忘れてもらおうというのはとても危ない。
元号が変わっても、安倍政権の間違った政策が一つでもよくなるわけじゃありません。時代を変えるのは、あくまでも主権者である国民です。国民のみなさんにも、そこを冷静に見てほしい。
しかも安倍首相は「令和の時代にふさわしい憲法づくり」と公然と言い出すなど、代替わりを政治的に利用しようとしています。これは国民主権の原則に反する天皇の政治利用であって、許してはなりません。