舞台『刀剣乱舞』の山姥切国広(やまんばぎり・くにひろ)やMANKAI STAGE『A3!』の月岡紬(つきおか・つむぎ)などを演じ、好きな2.5次元俳優ランキング第2位(オリコンニュース調べ)に輝いた荒牧慶彦さん。舞台に対する思い、役作りの秘訣を聞いた。
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ダンスや歌もやったことがなかったから、最初はただただガムシャラに練習しましたね。
僕、俳優を志すのが遅かったんですよ。ずっとやりたい気持ちはあったんですけど大学3年の就活の時期になって、「やっぱり今しかやれないことをやりたい」と。当然、親は大反対でした。25歳までに芽が出なかったら就職するからと約束しましたし、当時は自分もそのつもりでした。
それが……事務所の面接に行ったら、そこでミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンのオーディションを勧められて、受けたら受かったんです。それが比嘉中、甲斐裕次郎(かい・ゆうじろう)役でした。
僕、デビューが遅かったこともあって、いろいろ調べてたんですよ。何に出たら注目を浴びることができて、ファンの方に応援していただけるようになるんだろうって。「テニミュ」は僕が思っていた作品だったので、めちゃめちゃ嬉しかったです。
役をつかむためにやっているのは、役の歩幅やクセを考えること。原作や設定集を調べるのはもちろんですが、舞台『刀剣乱舞』の山姥切国広だったらずっとマントをつけているキャラクターなので、きっと布を触っちゃうクセがあるだろうな、とか。あと、マントの扱いを自然に見せるために、食事中も衣裳のマントをつけて過ごしたりして、自分の一部にするようにしましたね。
模倣ではなく、自分の中に落とし込む感覚なんです。でも落とし込んだら、また人間らしさを出すために「自分」も少しプラスする。人間性がないとヘンな感じになってしまうので。だから原作のキャラクター中心ではあるんですけど、やる人によってかなり違いが生まれると思う。そこも面白いところですね。