朝井:実際の横浜さんはどんなタイプなんですか?

横浜:そうですね……もし「オレについてこい!」タイプと「背中で見せる」タイプがあるとしたら、僕は「背中で見せる」ほうかな。言葉でうまく言えないので、自分ががんばる姿を見て、「ついていこう」と思ってもらったら嬉しいです。

朝井:なるほど、佇まいでみせる、「高倉健タイプ」だ。

横浜:いえいえ、そんなすごい方にはとても及ばないです! でも「イエーイ!」みたいなノリと勢いでは動けないタイプ。

朝井:撮影前に3カ月、練習されたんですよね。共演者と役柄でなく一人の人間として親しくなると、逆にやりにくかったりはしないですか?

横浜:いえ、今回はその関係性がうまく作用したと思います。というか僕はそうだったけど、みんなは……どうなんでしょう。僕は普段、人と交流するほうではないんです。役者仲間もあまりいないし。変になれ合いたくないからでもあるんですけど、でも今回は7人が近い距離で過ごしたことが、スクリーンにもプラスに表れたかな、と。

朝井:たしかに7人がアドリブっぽく会話をしているシーンなど、リアリティーがありました。

横浜:作家さんの頭の中ってどうなってるのか聞いてみたいですけど、怖いですね。今日も対談するにあたって「心を見透かされそうだなあ」って……。

朝井:それよく言われるんですけど今は何も考えてないですよ、あとからやけに詳しく思い出せるだけで。女性の作家さんのほうがよく言われるみたいですね。恋人になるのが怖い、とか。

──朝井さん、ご結婚は?

朝井:してます。一昨年、27歳のときかな。

横浜:いいなあ!

朝井:もう降りたかったんですよね、恋愛市場から(笑)。結婚して一番よかったのは結婚するかどうか悩まなくてよくなったこと。人生における悩みが1個なくなり、人生の共犯者が増えること。それってすごく大きいことだと感じました。

横浜:わかります! 僕も早めにしたいんです。現実にはきっとできないんだろうけど……。僕の母は21歳で僕を産んでるんです。だから余計に考えちゃって。それにやっぱり恋愛って疲れるなって(笑)。じゃあしなきゃいいじゃん? ということにもなるんですが。

朝井:そういうわけにもいかないよね。恋愛で磨かれる部分もあるだろうし。どっちを取るか。

横浜:難しいところです(笑)。

(フリーランス記者・中村千晶)

AERA 2019年5月20日号

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?