「試合終わった瞬間はめちゃくちゃはしゃいでいましたけど、ちょっと落ち着いて、そういった部分で悔しさは出てきたので。『惜しかったな』みたいな反省はちょっとしました」

 しかし、「3シーズン目で、ゼロからの新しいチーム、コロナ禍もあって、ここまでこられたのは本当にすごいこと」(村元)、「3シーズン一緒に練習してきて培ってきたからこそ、この自国開催の(世界選手権という)大舞台のプレッシャーの中で力を出し切れた」(高橋)と前向きにとらえる思いが強い。

 また、村元はこの世界選手権は「全体的な雰囲気がすごく良くて」と感じていた。

「私にとって初めての日本開催での世界選手権で、改めて大ちゃんと一緒にいい演技で締めくくれて、本当にスケート人生で一番幸せっていうか。達成感じゃないですけど『スケートしていて良かったな』っていうのを改めて思いました」

 来シーズンの動向について問われた高橋は「じっくり考えます」と語っている。達成感と幸せに満ちた世界選手権を終えた村元と高橋は、来季に向けてどんな道を選ぶのだろうか。(文・沢田聡子)

●沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」