立教大学/Business Project(BP)では、留学生と日本人学生が交ざって3~5人のグループを作る。留学生と議論したり行動したりすることで英語力が上がり、リーダーシップやコミュニケーション能力も身につくという(撮影/写真部・小山幸佑)
立教大学/Business Project(BP)では、留学生と日本人学生が交ざって3~5人のグループを作る。留学生と議論したり行動したりすることで英語力が上がり、リーダーシップやコミュニケーション能力も身につくという(撮影/写真部・小山幸佑)
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2019年度入試 主な国際系学部の志願倍率(AERA 2019年5月13日号より)
2019年度入試 主な国際系学部の志願倍率(AERA 2019年5月13日号より)

 国際系学部の人気が止まらない。2015年度から徐々に志願者が増え、2019年度入試では国際系学部志願者数が125%増と、全学部系統で前年度比トップの伸びを果たした。各大学で国際系学部の新設が相次いでおり、それぞれが特色あるカリキュラムを競っている。

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 今年特に人気だったのが、英語とほかの専門性を融合した国際系学部だ。今年開設した中央大学の国際情報学部(iTL=Information Technology & Law)の期待値は極めて高く、入試出願倍率は61倍に上った。平野晋学部長(57)によると、「ITと法律を組み合わせた学部は、日本初では」という。

 入試に数学を課さない文系学部だが、プログラミングなどITの基礎を学べる。世界標準の法も扱い、ITと法の両輪でAI社会に活躍する人材を育てる。1年次には4技能を一度に学ぶ「統合英語」を、2年次には法律学と情報学の内容を含むオリジナル教材で英語を学ぶという。

 教育のグローバル化を進めているのは、国際系学部だけではない。駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一さんは、「特に経済や商学分野で顕著」と指摘する。

「実社会での経済活動に国境はないからでしょう」(石原さん)

 立教大学経営学部は、06年の開設当時から、国際化を見据えたカリキュラムを導入してきた。同学部Bilingual Business Leader Program主査の松本茂教授(63)はこう振り返る。

「英語で経営学を本格的に学ぶというコンセプトは、開設当初から注目されていました」

 同学部国際経営学科では、専門科目の授業の7割を英語で行う。ディスカッションやプレゼンで英語での発信力も身につける。1年次の夏には3週間協定校へ留学し、現地企業の課題を調査してプレゼン。2年次の秋学期からは、世界中の大学で使われる国際経営論のテキストを使った講義が始まる。

 極めて実践的な授業もある。3、4年生が対象になる「Business Project(BP)」だ。このプロジェクトでは、企業が設定した課題に半年かけて挑む。今回は三菱ふそうトラック・バスのブランドイメージを高める戦略を練ることになった。初期の授業には、三菱ふそうから複数の外国籍社員が出席。担当者がパワーポイントで企業の概要とプロジェクトの狙いを説明した。もちろんすべて英語だ。

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