漫画家デビュー47年目を迎えたくらもちふさこさんと、4月から原作ドラマがスタートするよしながふみさん。親交ある二人の人気漫画家が、互いの作品のこと、母との関係、少女漫画について語り合った。
【画像】くらもちふさこさんとよしながふみさんの漫画作品がこちら
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──よしながさんが週刊「モーニング」に連載している『きのう何食べた?』が、4月からドラマ化されます。弁護士と美容師という40代の男性カップルの日常と日々の食事が丁寧に描かれた作品です。
くらもちふさこ:私も楽しみなんですが、実写化のポイントはどんなところでしたか。
よしながふみ:『何食べ』は、ストーリーの強度が弱いんですよね。二人の話が軸ですが、同じくらい食べ物について描いているので、無理なくドラマにするならば30分枠だろうな、と考えていました。実はほかからも企画はあったんですが、食べ物や料理の話を入れられないと言われまして。そこを省いてゲイのカップルの問題を社会派的に取り上げるのも違うな、と。
くらもち:じゃあ深夜枠に決まったのはバッチリでしたね。
よしなが:狙ったわけではないですが、「孤独のグルメ」の枠なんです(笑)。ドラマはたくさんのスタッフが関わって作りあげるので、たとえば小道具などは私よりはるかに多くのことを考えて用意してくださって、ありがたいなと思っています。
くらもち:原作は青年誌での連載なので、さまざまな作品のなかに載っているのがいいですね。
よしなが:連載を始めたら、予想以上の反響で、ゲイの専門誌の編集長からも激励をいただき、背筋が伸びました。最初はBL誌で連載するつもりだったんですが、主人公が40代だと難しいと言われたんです。
──くらもちさんも『天然コケッコー』が映画化されていますし、昨年はNHKの朝ドラ「半分、青い。」で『いつもポケットにショパン』や『A−Girl』などさまざまな作品が使われたことが話題になりました。
くらもち:「半分、青い。」は、私の作品が出たんですが、ストレートにドラマ化されたのとも違うので、嬉しいんですけれど、気持ちの置き場がない感じでもあって。でも、母や親戚も喜んでくれて良かったです。