大阪はどうだ。東京と同じく巨大な都市である。でもまだ土地感はあるような気がする。

 ちなみに私は「漫才」は大阪弁の中にそもそも含まれていたものを一つの芸能様式にしたような気がしてならない。名漫才師ナイツの塙(はわわ)宣之氏は「東京の言葉で漫才をやるのは日本語でオペラやるぐらいのハンディがある」というような発言をしている。関西弁と漫才はそのぐらい密接だということだろう。

 輸入もせず、自前の国語でそれをポップカルチャーにした、これは凄いことである。でも「東京的」ではないと思う。

 逆に私はポップスやロックに「東京的」を感じる。最近だとヒップホップもそうだが、みんな輸入品だったものだ。私はポップスという方法に「東京」を感じるし、その自由さが好きだったりする。だって何をやったってよいのだから。

 いつかは寿司で言うカリフォルニアロールみたいなものを作れないかと私はいつも考えている。この東京で。

AERA 2019年4月1日号

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