▼一度の平均で何回ぶたれたか。また、一度にぶたれた最大の回数は何回か
一度の平均の中央値は10.4回。ただ、20回以上は36人いて、うち100回も5人いた。
最大で見ると、中央値は27.3回。50回以上が32人いて、うち100回が20人。300回以上も2人いた。
▼むち打ちに併せて行われたことはあったか
「自分で下着を下ろしてお尻を出す」が約81%の182人。
「泣き叫ぶと回数が増える」が約62%の140人。
「むち打ち前にあいさつを言う」「むち打ち後にお礼を言う」は約28%の約60人。
「終わると抱きしめられる」は約21%の47人いた。(同)
▼むち打ちをされた理由
これについては、宿題を忘れた、ウソをついた、友達のものを盗んだなど、子どもの教育上、叱られること自体は仕方ない理由も目立つ一方で、理不尽な内容もあった。
「幼稚園で誕生日の歌を歌ったのがバレた」
「祭りにこっそり参加したのがバレた」
「世の子(エホバの証人ではない家の子ども)と遊んだ」
「友達からマンガを借りた」
「異性と連絡を取った」
「奉仕中(住居を訪問しての勧誘活動)に(日射病で)歩けなくなって迷惑をかけたから」
一般的に考えて、子どもが学校の友達と遊んだり、友達の誕生日を祝ったりしても親にぶたれることはない。ましてや、加工した“凶器”を使われることはない。
ただ、回答者の多くが幼少期を過ごした時代は、体罰が教育の手段として半ば容認されていた。エホバの証人の信者ではなくとも、親や教師から平手打ちやげんこつをくらった人は多いだろう。マンガやテレビドラマでも体罰のシーンが美談として描かれている作品があった。
そうした時代背景もあってか、2世の子どもが勇気を出して誰かに相談しても「虐待」とは認めてくれなかったという。
元2世信者の手塚麻子さん(41=仮名)も、その一人だ。
小学生のころ、集会で落ち着きがない態度を取るなどの“粗相”をすると、親に下着を脱がされて、革のベルトで尻にむち打ちをされた。
「大人の信者が、時には親しい信者や2世の子どもたちにも手伝わせて粗相した子を押さえつけ、下着を脱がせてたたいていましたし、私もされました」