綿和さんは実態をこう話す。
「教団は子どもへのむち打ちを推奨していました。『巡回監督』や『長老』という幹部が、集会の場などでむち打ちを勧める発言をしていたんです。私も何度もされましたし、他の子どもたちがされている場面も数えきれないほど見ました。ところが、教団はそうした虐待を認めないばかりか、むち打ちはなかった、などと歴史を消し去ろうとまでしている。私たちが子ども時代に何をされてきたか、事実を知っていただきたいと強く願っています」
実際、綿和さんらが行った調査結果には、驚くべき回答がならぶ。以下、主な質問項目と回答をピックアップしてみる。
▼むち打ちが始まった年齢と、終わった年齢
「された」217人のほぼ全員が小学校低学年までに始まったと回答した。そのうち約75%に当たる162人は、就学前からむち打ちを受けていた。
むち打ちがいつまで続いたかについては、「小学校高学年まで」と「中学生まで」との回答がそれぞれ全体の30%を超えた。高校生まで続いた人も14人、高校卒業以降も続いたとの回答が3人いた。
▼むち打ちをした人
「した」人も含む225人のほぼ全員が「母親」と回答。父親は全体の約24%に当たる54人だった。幹部など、両親や親族以外からむち打ちを受けた人も19人いた(複数回答)。
▼むち打ちの道具
さまざまな道具を使い分けていたようで、「革ベルト」「ホース」「物差し」との回答がそれぞれ約50%いた(「した」人も含む、以下同)。「電気コード」や「野球バット」という回答もあった(同)。
さらに、たたきやすく、より痛みが強くなるように道具を加工していたケースも多かったようだ。
「束ねた電気コードや折りたたんだ革ベルトをビニールテープで巻いたもの」
「ガスホースに金属製のパイプを入れたもの」
「竹の根をむち用に細くしたもの」
など30もの加工事例があり、集会で「長老」が自作したむちを親たちに配ったり、もうけが目的ではないものの、わざわざ売っていたりしたこともあったという。