字幕で文字を確認し、知らない単語があれば調べる。会話ではそこまで難しい文法は使われないが、現在完了と関係詞は日常フレーズにも頻出する。中学英語がおぼつかない人は確認しておきたい。

「フレディのセリフ、“I’m going to be what I was born to be.”のwhatは関係詞ですよね。We Are The Championsの歌詞にも現在完了がたくさん登場します」(同)

 ただ、多くの場合、単語や文法は知っているのに何を言っているのか聞き取れないことがほとんどだろう。原因は二つしかない。音がわからないか、意味がわからないか。

 音がわからないのは、リアルな英語では音が崩れていることが多いから。映画の登場人物たちは、アナウンサーのような一語一句はっきりとしたしゃべりではなく、普段私たちが話すように脱力したしゃべり方をする。繰り返し聞くうちに、音がどう崩れているのか、パターンが理解できる。

 一方、簡単な単語なのに意味がわからないのはなぜか。

「日常会話では、1語で意味が成り立つ難しい動詞よりも、動詞+前置詞の『句動詞』が多く使われます。例えば『埋め合わせる』ならcompensateよりもmake it up。makeもupも簡単ですが、組み合わせるとわからない人が多いんです」(同)

 英語字幕の意味が確認できたら、あとはワンフレーズずつ止めながら登場人物になりきってまねするだけ。何度も繰り返してスラスラ言えるようになる頃には、字幕を消しても英語がわかるようになっているはずだ。(編集部・高橋有紀)

AERA 2019年3月18日号より抜粋