※写真はイメージです(写真:gettyimages)
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舌がんを疑う症状(AERA 2019年3月11日号より)
舌がんを疑う症状(AERA 2019年3月11日号より)

 水泳選手の池江璃花子さんが白血病を、タレントの堀ちえみさんが舌がんを公表した。だるさや口内炎を訴えていた二人。「もしかして私も」と不安を感じた人は多いだろう。がんは早期発見できれば治る可能性が高い。仕事や子育てなどで忙しくても、自分の体のサインは見逃したくない。

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「口腔粘膜の疾患での来院者は1日に4、5人ですが、ここ最近はその5倍来ています」

 東京歯科大学水道橋病院(東京都千代田区)口腔顎顔面(こうくうがくがんめん)外科学講座主任教授の柴原孝彦さんは話す。タレントの堀ちえみさん(52)がブログで舌がんを公表した影響だ。堀さんが初期症状として訴えていた口内炎にも注目が集まり、歯科や内科へ「私は大丈夫か?」と問い合わせが殺到しているという。

 舌がんを含む口腔がんは希少がんに分類されるが、咽頭がんも含めると年間約2万人が診断され、患者数は増えている。

「歯肉(歯ぐき)や口腔底(舌の下)に発症することもありますが、口腔がんの半数以上は舌がんです。なかでも、舌の横側にあたる舌縁部(ぜつえんぶ)に発症することが多い。虫歯で歯が欠けてとがっていたり、不適合な歯の詰め物をつけていたりすると、舌がこすれて痛み、がん発症の恐れが高まります」(柴原さん)

 どのような症状が出るのか。

「舌や粘膜が赤や白に変色して、口内炎が発症します。初期は痛みなどがないことが多く、自覚症状は感じづらいですが、目で確認することはできます」(同)

 単なる口内炎なのか、がん化する恐れがあるのか、見分ける目安があると柴原さんは言う。

「口腔がんのほとんどが口腔粘膜の表面を覆う上皮に発症する扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんです。その上皮の再生にかかる時間が2週間。口内炎が2週間を超えても治らない場合、まずはかかりつけ歯科医院での検査を勧めます。がんではなかった場合でも、がん化するリスクが高いため、定期的に検査を受けて、進行を見守る必要があるでしょう。白いものより、赤いもののほうが、がん化するリスクは高くなります」

 自覚できる症状もある。

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