鼻炎の鼻腔は空気の通り道が狭い
鼻炎の鼻腔は空気の通り道が狭い
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隠れ鼻づまりチェック表(AERA 2019年3月4日号より)
隠れ鼻づまりチェック表(AERA 2019年3月4日号より)

 誰しも経験したことがあるであろう“鼻づまり”。実は、鼻がつまっていることにより睡眠の質が低下し、QOLを損なうケースがあるという。これは大人でも子どもでも同様で、鼻のクリニック東京理事長で耳鼻科医の黄川田(きかわだ)徹医師は、特に子どもの場合は、睡眠の質が成長に影響するため深刻だと指摘する。

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「小さなお子さんなら、夜間に何度も起きたり、寝起きや寝入りにぐずったりすることも多い。そうしたお子さんを診察すると、鼻腔が狭くなり、空気の通りが悪くなった典型的な鼻づまりがよく見つかります」(黄川田医師)

 憂慮すべきは、その多さだ。

「7割かそれ以上のお子さんに鼻の問題があるのではと考えています」(同)

 実際、子どもの鼻炎は増えているようだ。ある女児の母親はこう教えてくれた。

「周囲のお子さんを見ていて、『鼻が悪いのかな』と思うことはよくあります。健康診断後、小学校からの保健だよりにも、全校生徒の7割にアレルギー性鼻炎があったこと、耳鼻科を受診してほしいことが書いてありました」

 黄川田医師は、子どもを持つ親にこの問題を知ってほしいと講演を積極的に行い、鼻づまりが子どもに及ぼす影響を著書『鼻のせいかもしれません』にわかりやすくまとめている。同書のイラストを担当した人気絵本作家のヨシタケシンスケさんも、鼻の手術で人生が変わった一人だ。子ども時代から副鼻腔炎と診断され、たえず頭の重さや息苦しさに悩んできたが、「手術後、鼻のストレスがなくなり、集中力も増した。起きている時間の質が劇的に変わり、その感動が強烈だった」という。

 これから到来する花粉症シーズン、一時的にでも鼻にトラブルを抱える人はさらに増える。もしも自分が夜間に鼻づまりを起こし、QOLを損なっているならどうすればよいか。手術しか改善の道はないのだろうか。

「鼻腔内を生理食塩水で洗浄する鼻うがいで、症状が改善する可能性は大いにあります。鼻の粘膜についた花粉やほこり、鼻汁を洗い流せば、炎症が起こりにくくなります。当院では、朝晩2回洗浄して点鼻薬を使う治療を4週間ほど行い、効果を見ています」(黄川田医師)

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