──基地移設問題で辺野古の是非を明言しなかったことが「争点隠し」と批判された。
マスコミは基地問題ばかりを争点にしたがったが、知事選で本来問われたのは沖縄県の振興であり、県民生活全体の向上をどう図るかということ。われわれはそこに選挙の争点を置いて訴えたが、及ばなかった。
──安保法制議論や沖縄県知事選では、支持母体の創価学会員が三色旗を掲げて反対の声を上げる姿もあった。
創価学会は国民の縮図であり、公明党の政策に反対意見を持つ方がいらっしゃるのも、ある意味では当然だ。創価学会員のほとんどは党員ではないので、党が意見を押し付けることはできない。ただ、何か政策課題があれば、われわれは創価学会の会合にもすぐにご説明に行き、そこで意見交換する。学会側でも頻繁に政治学習会などを開いて、積極的に理解しようとしてくれる。政治家と支持者の間で、ここまで双方向の意見交換をしている党はないのではないか。
──とはいえ、公明党を全面支援できない学会員が増えれば選挙にも影響が出る。前回の衆院選は比例得票数が節目の700万票を割る結果となった。
創価学会員に、公明党の政策に100%同意してくださいというのは現実的に難しい。価値観が多様化していくなかで、そのズレが大きくなっているとは感じている。ズレをなくすよう、一生懸命努力するしかない。
──亥年は選挙イヤー。夏には「衆参ダブル選」もささやかれるが、公明党は反対の立場だ。
衆議院と参議院は機能が違うからこそ、選挙制度も違う。その選挙を一緒にやると、二院制の意味が希薄化する。何よりも、国民が混乱する。衆参ダブル選は望ましくない。その上で、来るべき選挙に向けては「大衆と共に」という立党の原点に立ち返る。先の衆院選で敗北したのは、「公明党らしさ」を前面に出せなかったからだ。その反省に基づき、昨年は全国の公明党議員による100万人調査運動をした。子育て、介護などについて、全国3千人の議員が100万人の方々の声を聞いて回った。それを政策提言としてまとめ、選挙に生かす。それが「公明党らしさ」を取り戻すことにつながり、創価学会を含めた支持者の方々との「ズレ」を埋めることになると確信している。(構成/編集部・作田裕史)
※AERA 2019年2月4日号