

投資を始めてみようかな、と思った人が最初に興味を示すことが多いのが投資信託だ。数千円でも無理なく投資できるため(ネット証券なら100円から買える)、金額的なハードルも低い。
ただ、投資信託は6000本以上が販売されている。どれを選んでいいものやら、皆目見当がつかない。
そんなとき、金融機関やファイナンシャルプランナーが「最初はバランスファンドからでもよいのでは」というアドバイスをすることがある。
バランスファンドとは、先進国や新興国の株式や債券などが、リスクに応じてバランスよく組み入れられた投資信託のこと。さまざまなものがパッケージされているので、コストが少し割高になる。
なぜ、ビギナーにバランスファンドをすすめることが多いのか。アエラ増刊『AERA with Money 毎月5000円でつみたて投資!』の巻頭インタビューから、その理由を見ていこう。
登場してくれたのは、『はじめての人のための3000円投資生活』(アスコム)が60万部の大ベストセラーになった横山光昭さん。インタビュアーは人気経済キャスターの八木ひとみさんだ。
――著書では、国内外の株や債券などに分散投資してくれるバランス型投資信託を勧めていらっしゃいますが……。
まず「習うより慣れろ」という意味で、初心者にはバランス型がいいのではないかと思います。確かに「バランス型は信託報酬などの運用コストが高い」というご指摘もありますが、実際に現場で初心者と接したときに、「株と債券のインデックス型投信に分散投資して……」と説明しても、「そんな難しいことわからないし、できない」となるケースが非常に多いんです。
慣れてきたら、「新興国にも投資したい」とか「国内債券なんてそんなに増えないから不要だな」など、自分でいろいろ考えられるようになります。
――2018年も2月と10月、さらにはこの12月末にも株が暴落するなど、投資に不安を感じる人も多いと思うのですが……。
そういう方には「長期で見てください」と言います。初心者の中には、暴落局面になると慌てる方が多いんです。先ほども言いましたが、暴落は金融商品を安く買うチャンスでもある。つみたて投資には時間分散という強い味方があることを理解できると、暴落も怖くなくなります。