


2018年の日本株は10月の高値から、米国株とともに暗転した。だが、安い時こそ買い時といえる。証券記者歴30年の「大御所」が、値上がりする前に目を付けておきたい銘柄を紹介する。
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出足からつまずいた形の日本株。証券業界では、今後の相場の見通しも弱気に傾いている。
しかし、相場が暴落、急落するほど買い時といえる。安い時ほど「お買い得」なのは、株とて例外ではない。
そして反騰の局面が必ずあることは、歴史が証明している。株価全体の底入れ時期を読むことは難しいが、株式投資家の人気は、それとは別に動きだす。今年は株式市場や個別企業の収益に大きく影響を与えるイベントが控えていることが、銘柄選びの手がかりとなりそうだ。
それが今年の「8大テーマ」だ。主要スケジュールをもとに、それぞれのテーマと該当する銘柄を紹介していく。
4月に改正出入国管理法が施行され、外国人労働者の受け入れの門戸が広がる。
語学などの学習、就労訓練、居住場所の確保、トラブル処理などにビジネスチャンスは広がる。株式市場でも、人材ビジネスを手がける企業は多数上場しているものの、雇用管理などの面で事業のハードルは決して低くない。そのため、「環境整備を目的に掲げて16年に設立された一般社団法人・外国人雇用協議会の会員加盟企業などが一部で注目され始めている」(マスコミ関係者)との声もある。
大型GWの10連休では、旅行需要の拡大が期待される。
真っ先にホテルやレジャー関連の企業を思い浮かべるが、それ以上に、業績を著しく伸ばしている予約サイトや比較サイトを運営する企業への関心が高い。
「この業界はM&A(企業合併・買収)が活発なことも特徴」(証券アナリスト)
大阪で、6月には日本が議長国となる主要20カ国・地域首脳会議(G20)が開催される。25年の万博誘致にも成功した。今年9月に始まるラグビーW杯日本大会の会場、カジノ誘致の有力な候補地でもある。
メリットがありそうな銘柄は、
「建設、インフラ、万博会場の夢洲(ゆめしま)をはじめ大阪湾岸に土地を保有する企業、宿泊、交通、パビリオン展示、防災、警備、セキュリティーと多岐にわたる」(別の証券アナリスト)
ラグビーW杯をはじめ訪日外国人の増加となれば、自動通訳・翻訳や外国語での音声案内の需要が刺激される。
10月には消費増税。税率10%への引き上げが予定されている。新元号への移行もあり、システム開発が盛り上がるほか、参議院選挙もからんで印刷物の増加も見込まれる。ポイント還元などの景気対策も追い風になる。